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2014年10月

ブルックナー交響曲第00番。

第188回 定期演奏会 シェイクスピア生誕450年記念【じゃじゃ馬ならし】
≪≪ 児玉宏のブルックナーVol.10 ≫≫

2014年9月19日(金)19時00分開演

指  揮 : 児玉 宏(音楽監督・首席指揮者)
ピ ア ノ : 佐藤 卓史

ヘルマン・ゲッツ : 歌劇「じゃじゃ馬ならし」序曲
モーツァルト : ピアノ協奏曲 第15番 変ロ長調 K.450
ブルックナー : 交響曲 第00番 ヘ短調


児玉さんと大阪交響楽団とのブルックナーシリーズも、今回が第10回。
いよいよ次回が最終回の9番となるが、その前に00番を持ってくるあたりが児玉さんらしい。
00番というのはあくまでも後世に付けられた番号で、ブルックナー自身は「価値の無い習作」だと考えておられたようだ。
確かに、0番を含めた10曲の交響曲に見られる典型的な原始霧(ブルックナー開始)は見られないし、オルガン的な響きというよりは模範的な交響曲様式をなぞっているようにも聞こえる。
しかし、音の重ね方などはまさにブルックナーならではのものであり、しばしば交響曲全集からも外される不遇は実演を聴けば改められるかも知れない。

冒頭の「じゃじゃ馬ならし」は、生誕450年を迎えるシェークスピアの戯曲を題材にしたオペラの序曲。
よくぞまあ、このような埋もれた作品を掘り起こしてくれるものだと、児玉さんの選曲には毎回感心させられる。
ブルックナーと同世代とのことだが、もう少し世俗的な響きだ。
若くして亡くなってしまったこともあろうが、口当たりの良い序曲という以上の印象は受けられなかった。

モーツァルトのピアノ協奏曲は20番以降の作品(8曲)が演奏される機会が圧倒的に多い。
しかし、それ以外の19曲ももちろん天才モーツァルトから生まれた逸品だ。
彼の予約演奏会、今で言うライブツアーで披露してきた渾身の作品は、聴衆に受け入れられやすいように構築されたモーツァルト様式が15番の段階で既に確立されている。
20番以降の作品を実際に弾いたことがあるからこそ分かるのだが、第1楽章から第3楽章までの展開が20番以降の著名な作品といささかも変わりがない。
モーツァルトピアノ協奏曲全集CDを持っている私も15番は数回しか再生したことがないのだが、それでも楽曲の流れがだいたい予想通りに進んでいくのは心地よくもあり、新鮮味に乏しいという印象も受けた。
若きピアノソリストの佐藤さんがこれから経験を積めば、新たな発見が生まれるかも知れない。

新鮮だったのは、佐藤さんのアンコール曲。
実は、ブルックナーにもピアノ作品があったという事実を知ったのが今回一番の衝撃だった。
「秋の夕べの静かな物思い」という曲で、オルガニストとして著名だったブルックナーの固定概念が少し良い意味で崩された。
今回のコンサート最大の収穫は、実はこの曲だったのかも知れない。

メインディッシュのブルックナー。
児玉さんらしい雄弁なブルックナー像は、0番から8番までの9曲と変わることがない。
第1楽章こそブルックナーというよりはシューベルトからシューマンに至るロマン派の作風が見え隠れするが、第3楽章などは9番の第2楽章にも通じるブルックナー和音が堪能出来る。
むしろ、めったに演奏されない楽曲であるが故に、ブルックナーの要らぬ固定概念を持ってしまっている初心者にもすんなりと受け入れやすい演奏に仕上がっている。

来年は、いよいよ千秋楽の9番。
期待を裏切る事は、もはやないだろう。
あとは所用が入らないよう祈るだけ。

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