ティントナーのブルックナー。
おもむろにブルックナーについてネットで調べていたところ、とあるサイトでブルックナー交響曲第8番の演奏を公開していた。
この演奏が珍しいのは、一般的にハース版やノヴァーク版が採用している第2版(1890年版)ではなく、第1版(1887年版)を採用している事だ。
ゲオルグ・ティントナー指揮のこの演奏、普段ハース版やノヴァーク版に慣れた耳で聞くと違和感が大きい。
第2版では削除された小節や、オーケストレーションの変更などが散見され、敬虔なカトリック音楽から盛大なワーグナー節が見え隠れする。
例えるなら、教会の中で澄んだ声の賛美歌が流れる中で、突然静けさを破る濁った題目の大合唱が始まるような感じ。
この版がブルックナー本人の意向でこの姿になったのか、シャルク氏を始めとする弟子の意向が強いのかは、今となっては楽譜の音符の隙間から想像するしかない。
しかしこういう演奏を聴くと、ますますブルックナーの版問題がいかに奥深いかという事を痛感させられる。
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