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大ブルックナー展の千秋楽。

2017年5月21日(日)15:00開演(14:15開場)
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

<出演>
指揮:井上道義
ヴァイオリン:前橋汀子

<曲目>
ショーソン/詩曲 作品25
マスネ/タイスの瞑想曲
(アンコール)J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番より「ガヴォット」
ブルックナー/交響曲第9番 ニ短調(ノヴァーク版)

(以下ブログネタ)
大阪フィルの首席指揮者契約を予定通り3年で終えた井上道義さん。
忸怩たる想いが短く綴られたブログ。
http://www.michiyoshi-inoue.com/2017/02/_505_1.html#blog

演奏後のブログも是非ご覧ください。
こちらにも、マエストロの忸怩たる想いが行間に綴られています。
http://www.michiyoshi-inoue.com/2017/05/_vol6.html#blog

今年からミュージックアドバイザーに就任し、来年から3代目音楽監督に就任する尾高氏の手腕が問われよう。先代監督・桂冠指揮者の大植さんほどの急先鋒になる必要はないが、井上さんの力を以てしても達し得なかった新境地を切り開く事は出来るのだろうか。

いずれにせよ、「大ブルックナー展」がいよいよ千秋楽を迎える。
第9番は何度か実演に接してきたが、指揮者の解釈により自らの人生観が垣間見える一面もある。
喜寿を迎え、いよいよ円熟を極めようとしているマエストロの達観は、どのようなものなのだろうか。

兵庫芸術文化センターに少し早めに到着すると、中ホールの落語家独演会でロビーが賑わう。
落語も一度巧い噺家に接してしまうと魅かれてしまうのだろうが、まだそのような出会いはない。
漫談家は、関西の最終兵器だったテントさんの奇怪な実演に度々接する事が出来たのは幸いだったが。

座席は、予約が遅れた事もあり3階席のB席。
正直ベストではないが、サービス的には3階にもミニホワイエがある事を知ったのは収穫。
ここにもあると知っていれば、1階のホワイエで生ぬるい赤ワインのグラスを傾ける事はなかったのだが。

前半は、独奏ヴァイオリストを迎えて抒情的な2曲の旋律に浸る。
ブル9の前菜としては、こういう曲が合っているのかも知れない。
前橋さんの繊細かつ雄弁な語り口と、井上さんの良い意味でねちっこい指揮が、2曲見事に歌い上げる。
アンコールのパルティータも、少々男勝りな感じすらする旋律が大阪フィルへの激励に感じられた。

15分の休憩が始まるや否や、3階ミニホワイエに速足で駆けつけ、よく冷えた白ワインで喉を潤す。
今日は、渋みのある赤ワインよりもフルーティーな微風を感じられる白ワインの方が好みだった。

いよいよメインディッシュ。
第1楽章・第2楽章とも、もう少し雄弁に語っても良いはずだが、あえてゆとりあるテンポで歩み続ける。
端的に現れた効果は、いつも肝心なところで音を外して興覚めさせてくれる金管のミスに苦笑する場面が少なかったこと。
この3年間、金管が今日のような丁寧な吹奏を響かせていたら、井上さんのお考えも違ったものになっていただろう。
弦楽・管楽ともに素人である私ですらそう思えるのだから、先ほど紹介した井上さんのブログの行間たるや。
もう少し早いテンポでも確実な吹奏を魅せられるのであれば、今日の演奏の緩慢とした印象も変わったかも知れない。尾高さんが実現するのを期待したい。
第3楽章のアダージョは、テンポの緩慢さを気にすることなく、心地よい白鳥の歌がホールに広がる。
ラストの音がホールから消え切らないうちに拍手が沸き起こってしまったのが、残念でならない。
そういう観客の態度にも、井上さんは思うところがあったのかも知れない。

いろいろ思いが巡るが、大阪交響楽団から児玉前監督が、大阪フィルから井上さんがそれぞれ去ることの重みに関西クラシックファンが気付くのは、いつの事になるのだろうか。

大ブルックナー展。

そういえば、最近オーケストラの響きから離れていた。
そんな時、兵庫県立芸術文化センターから届いたパンフレットに目が留まる。

井上道義さんの「大ブルックナー展」。
第5回は第5番、第6回(最終回)は第9番。
どちらも私がこよなく愛する名曲。
幸いどちらも土日開催なので、迷うことはない。
いざ行かん、芸術文化センターへ!

途中下車して昼食を頂いた後、西宮北口駅に降り立つ。
クラシックグッズを販売する「レオノーレ」が4月からフェスティバルホールへ移転する告知を見て寂しい気持ちになりながらも、長い連絡通路を通り抜けて芸術文化センターで開場を待つ。
開場したら、もちろんホワイエに直行。
数人前の客がビールを片手にテーブルへ向かうのを見て、私も喉を潤しほろ酔いになるためビールを注文。
アサヒビール西宮工場が近隣にあった縁が続いているのか、出てきたのはスーパードライプレミアム。
エクストラコールドであればなお良いのだが、贅沢は言うまい。

1曲目は、井上道義さんが自ら作曲した「鏡の眼」を披露する。
ショスタコーヴィチが得意な井上さんらしい、陰陽の差を感じさせながら程よい余韻を残してくれる表現。
もっと我が国の指揮者も自作を披露してオーケストラ音楽の新たな可能性を示すことが出来るはずだ。
私にプロのオーケストラを指揮する事が許されるのであれば、自作ではないが小室哲哉さんの「天と地と」か「マドモアゼル・モーツァルト」を指揮して、我が国のオーケストラ音楽の一面を披露したいところだ。

2曲目のメインディッシュに入る前に、再びホワイエに向かう。
ビールグラスを傾けながらホワイエを運営するレストランのLINE IDを友達登録するとフィナンシェが無料で頂けるとあり、珈琲を注文してフィナンシェを頂けますかと尋ねたら、それはレストランの喫茶営業のみのサービスだと言われ、激しく落胆。
この場所で受けられないサービスをテーブルにPOP掲示するのは、いかがなものかと姿勢を問い質したい。

井上さんのブル5は、縦筋が揃い、ややゆったりとしたテンポで進め雄大さを示そうとしている。
珍しく金管・木管も外さず気持ち良くブルックナーの世界に浸っていたが、残念ながら時折やはり管楽がここぞという決めの一発に限って外してしまう。
時折踊るようなタクトを見せつつ、全身全霊でオケを奮い立たせる指揮は、フィナーレで見事にファンファーレを解き放ち、ファンファーレが終わるや否や放たれるブラボー砲も気持ち良くホールに響き渡る。

なお、井上さん自身の当日の想いがブログで公開されているので、ご参考までに。
http://www.michiyoshi-inoue.com/2017/01/_vol5.html#blog


(公演情報)

開催日 2017年1月21日(土)
開演 15:00 (開場 14:15)
会場 芸術文化センター KOBELCO大ホール

これぞ交響曲のカタルシス!
井上道義指揮と大阪フィルハーモニー交響楽団による、ブルックナー・シリーズ第5回。
今回は、ブルックナー・ファンの間で“最もブルックナーらしい交響曲”として人気の高い第5番です。
アルプスの山塊を思わせる壮大なスケール感。息を呑むほど精緻に積み上げられた響きの美しさ。そして辿りついた終楽章、鳴り響く壮麗かつ雄大なコラールは、まさに天界の響き!
交響曲が好きなら、いつか制したいブルックナー第5番。ぜひ、この機会にその神髄に触れていただきたいと思います。

指揮 井上道義
管弦楽 大阪フィルハーモニー交響楽団

プログラム
(1)井上道義:鏡の眼
(2)ブルックナー:交響曲 第5番

オフィス街の小さなホールに響く、ショパンの調べ。

そもそものきっかけは、LINEから届いた1通の投稿。
ザ・フェニックスホールを管理するあいおいニッセイ同和損害保険が、年末年始にクラシックを聴きませんか?とPR。
そういえば、そんなホールの名前を見たことがあるような…

社外会議の休憩中に投稿を見てしまい、さっそくコンサート日程を「関西クラシック音楽情報」で確認。
すると、何という偶然か、会議が終わったあと、オールショパンピアノコンサートが開催されるようだ。
しかし、今日は訳あって某ラーメン屋に立ち寄らねばならない。
何気なくtwitterを見ると、その某ラーメン屋が材料切れで夜の営業は臨時休業とのツイートを投稿したところ。
こうして、運命の扉は開かれた。いざ、フェニックスホールへ!

梅田駅から数日前に別件で歩いた御堂筋を再び同じように歩き、歩道橋を渡ったところにあるビルの入口。
中に入るとテーブルに当日券が並べられており、無事買い求める事が出来る。
18時30分に開場するまで、しばらく列に加わり待つ。
開場時間になると、白い衣装を纏ったホール案内嬢が深々とお辞儀。
チケットチェックが終わると次々と観客が細いエスカレータに吸い込まれてゆく。
2階のホワイエを横目に、まずは座席の確保。今回のコンサートは全席自由席だ。
3階か4階か迷うが、小ぢんまりとしたホールなので4階テラス席の最前列でも十分楽しめる。
席に鞄を預け、2階のホワイエに向かい、赤ワインでほろ酔い気分になる。

今回のプログラムは、ジョルジュ・サンドに出会う前と別れてからの晩年に分かれている。
口の悪い関西人の藤井さんは「人の幸せが嫌いなので」と理由を語る。
しかし、スタインウェイから響く藤井さんの奏でる旋律は、見事に祖国ポーランドへの望郷を語るショパンの声。
そういえば、ピアノリサイタルは20年以上ぶりになるだろうか。
オワゾリール会のチェンバロコンサート以来かも知れないから、そうであれば30年ぶりになる。
曲への思いと解説を関西人らしく笑いを交えながら語りつつ、ショパンの調べを堪能。

全曲が終わり、アンコールの拍手に招かれて藤井さんが再登場すると、部隊後ろの壁が上がる。
すると、ガラス張りのから御堂筋の夜景が広がり、幻想的なステージに早変わり。
車のライトが流れる背景と、ピアニストの演奏が、不思議な世界を作り上げる。
小さな会場ではあるが、大きな満足を思いがけず得ることが出来、荒んだ心が少しは癒されただろうか。

【詳細】
藤井快哉ピアノリサイタル
プレイズショパンⅡ
2016 12/20(火)19:00開演

藤井快哉が今年もショパンに挑む。
テーマは、ジョルジュ・サンドに出会う以前の音楽性、そして晩年の作風。
ショパンの生涯を語る上で欠かせない人物、それは1838年から1847年までを共に過ごした文筆家ジョルジュ・サンドである。
常識では計り知れないサンドの個性は、ショパンに計り知れない影響を与えた。
では逆に、サンドに出会う前のショパンはどのような音楽を描いていたのか、
そしてサンドと別れてから死ぬまでの2年間はどのような作品を残したのか。
この興味深いテーマに挑むのが当公演最大の魅力である。

出演
藤井快哉(ピアノ)

曲目
▼オールショパンプログラム:
夜想曲第8番変ニ長調op.27-2、
スケルツォ第2番変ロ短調op.31、
ワルツ 第9番「告別」変イ長調 op.69-1、
バラード第1番ト短調op.23、
3つのマズルカop.59、
舟歌 嬰ヘ長調op.60、
幻想ポロネーズ 変イ長調 op.61
(アンコール)子守唄 op.57

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